2018/3/15増田康宏vs神谷広志 投了図&詰み手順
2018年3月15日(木)の第76期順位戦C級2組最終戦。
「勝てば昇級」という状況にあった増田康宏五段と、神谷広志八段の対局。
最終盤、相手玉に詰みがあるにも関わらず、神谷八段が自分の負けと思って投了。
結果、増田五段が命拾いの勝利を挙げ、C級1組昇級を決めるというレアな出来事が起きた。
投了図と詰み手順
まで121手で増田五段の勝ち。
121手目、増田五段が▲5三飛と打った局面。
ここで神谷八段が投了してしまったのだが、増田玉には即詰みがあった。
△6九飛成
▲同 玉
△7八銀
▲同 玉
△6七金
※▲同玉なら△5六角以下。
▲8八玉
△7九角
▲9八玉
△9六香
▲9七角
△同香成
▲同 桂
△8八金
▲同 銀
△同角成
▲同 玉
△7七銀
▲9八玉
△8九角
▲同 玉
△7八金
▲9八玉
△8八金
<前の手 次の手> 最終図>>
なぜ詰みに気付かなかった?
詰むと分かっていれば、「プロなら一目」とも思われる平凡な詰み手順。
では、なぜ神谷八段は気付かなかったのか?
※増田五段も他の手(▲8二角など)を指さなかったので、増田五段も詰みに気付いていなかったものと思われる。※
投了する一手前に神谷八段が指した△5五歩。
玉の逃げ道を作った手であると同時に、実は、増田玉に詰めろをかける手でもあった(変化手順の△5六角を用意した)。
ところが、そんなに素晴らしい手であることを、指した神谷八段自身が気付いていなかったようだ(おそらく増田五段も)。
両対局者とも、この△5五歩が、「その場しのぎの一手」としか思っていなかったことが、今回の珍事件を呼んだのだろう。
「楽観いけなしよく見るよろし」は升田幸三先生の有名な嘆きだが、悲観するのはもっといけないということなのかもしれない。
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